保護者とのコミュニケーションを円滑に

保護者とのコミュニケーションの重要性
保育士の業務については、児童福祉法により業務の内容が定められています。
保育士の主な職場は公立・私立の保育所ですが、そこで働く時には子供だけでなく、保護者とも密接に関係を持っていくことになるでしょう。
児童福祉法でも、保育士の業務には児童保育とともに保護者への指導が含まれており、連絡帳や配布するプリントを通して保護者に対して子供たちの様子を発信していきます。
実際に勤務をしている保育士さんの意見を聞いてみても、いかにして保護者たちとよい関係を築いていくかということが重要であるかが分かります。
もう少し言うと、業務を通して難しいのは子供との関係よりも、むしろ保護者との関係であると感じる人が多く見られています。
保育士になりたいと最初に思ったきっかけは「子供が好き」という人が圧倒的ですが、実際に仕事をしてみて想像以上に子供と関わる以外の時間が多かったことに悩むというケースもあるほどです。
なぜ保護者との関係を築くのば難しいかというと、保育や早期教育の方法は何か一つの正解があるわけではなく、それぞれの家庭環境や考え方、教育方針により考えが大きく異なってくるからです。
少子化傾向のある現代においては、家庭の子供は1~2人というところが多く、そのため保育園を利用する保護者の大半は第一子であったりします。
子育て自体が初めて手探り状態であるため、ちょっとしたことが非常に気になってしまうということも起こり得るのです。
子供というのはどれだけ注意をしていても大人の想像と全く違った行動をしてしまうものですので、保育園内でのケガや病気はどうしても起こります。
そうした時に十分に説明をすることができなかったり、なぜそうしたことが起こったかということを明らかにしていかなかったりすることにより、園側と保護者の間に不信感が生まれることになってしまいます。
細かい部分での誤解を避けるためには、普段からのコミュニケーションが欠かせません。
子供を間にしての話し合いをきちんとしていくことにより、園と保護者に信頼関係が生まれていきます。
ポイント、注意点
アンケートによると、保育所に子供を預けた経験のある親の中で保育士の対応に不満を感じたことがあるという人は約6割にもなるということが分かっています。
一度不信感が生まれてしまうと、次回以降のトラブルへの対応が厳しくなっていくことから、ますます関係は悪化していくことになるでしょう。
そこで注意をしておきたいのが「保護者に不信感を抱かせる言動をしないようにする」ということです。
最も良くないのが「園児をえこひいきする」ということです。
保育士も人間なので、自分が気に入る子供とそうでない子供とができるものですが、それをあからさまに表に出してしまうと、保護者から大きな不信感を受けます。